エコジョーズの設置で近所迷惑に！？トラブルを回避する注意ポイントを解説

2025 12/07

2025年12月7日

「ガス代が安くなる！」「環境に優しい！」そんな魅力的な言葉に惹かれて、次世代の給湯器「エコジョーズ」への交換を検討しているあなた。でも、インターネットで検索していると、ふと目に入る不穏なキーワードがありませんか？

それが「エコジョーズ　近所迷惑」。「えっ、せっかく良いものに交換するのに、ご近所さんとトラブルになるの？」「そんなことになったら、安心して暮らせない…」そんな不安を抱えてしまったかもしれません。

でも、ご安心ください。結論から言うと、エコジョーズは「正しい知識」と「適切な設置」さえ行えば、ご近所迷惑になることはまずありません。トラブルが起きるのは、エコジョーズの特性を理解せず、「ただ取り付けただけ」の場合がほとんどなのです。

この記事では、これからエコジョーズを導入しようとしている方、あるいは既に導入して不安を感じている方のために、「なぜエコジョーズが近所迷惑と言われてしまうのか」「どうすればトラブルを100%回避できるのか」を、専門用語をできるだけ使わず分かりやすく解説します。

これを読めば、不安が解消され、自信を持ってエコジョーズのある快適な生活をスタートできるはずです！

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第1章：最大の誤解！「白い煙」の正体とは？

エコジョーズに関するご近所トラブルで、最も多いのがこの「見た目」の問題です。

「お宅の給湯器から、ものすごい白い煙が出ている！火事じゃないか！」 「毎日白い煙がこっちの窓に向かってきて、気味が悪い！」こんな苦情が、特に冬の寒い日の朝に寄せられることがあります。言われた方はびっくりしますよね。

でも、これだけは覚えておいてください。 その「白い煙」は、火事の煙でも、有害物質でもありません。

1. 「白い煙」の正体は、ただの「湯気」

では、あの白いモクモクは何なのでしょうか？答えは「水蒸気（湯気）」です。冬の寒い日、外で「はぁーっ」と息を吐くと、白くなりますよね？あれと同じ現象が、給湯器の排気口で起きているだけなのです。

2. なぜエコジョーズだけ「湯気」が目立つの？

「でも、今までの給湯器では、あんなに白くならなかったよ？」と思いませんか？ここに、エコジョーズが「省エネ」である秘密が隠されています。

今までの給湯器（従来型）： お湯を沸かす時に出た「熱い排気ガス（約200℃）」を、そのまま外に捨てていました。とても熱くて乾燥しているので、湯気はほとんど見えません。
エコジョーズ： ここが違います！エコジョーズは、今まで捨てていた「熱い排気ガス」を再利用して、もう一度水温を上げるのに使います。徹底的に熱を使い切るのです。その結果、外に出ていく排気ガスは「温度が低い（約50℃〜80℃）」状態になります。

温度が下がった排気ガスは、水分を多く含んでいます。それが、冬の冷たい外気に触れた瞬間、急に冷やされて目に見える「白い湯気」になるのです。

つまり「白い湯気がモクモク出ている＝エコジョーズが一生懸命、効率よく働いている証拠」なのです。

3. ご近所さんが不安になる理由

仕組みを知っている私たちからすれば「頑張ってるな」で済みますが、何も知らないご近所さんから見ればどうでしょうか？

「今までの給湯器とは明らかに違う動きをしている」
「何か燃えているような煙に見える」
「あの白いのが洗濯物にかかったら汚れるんじゃないか」

と、不安になるのは当然かもしれません。この「見た目のインパクトによる誤解」が、トラブルの第一の原因です。

第2章：知られざるトラブルメーカー「排水」問題

「白い湯気」は誤解を解けば解決しますが、実はもっと物理的に迷惑をかけてしまう可能性があるのが「排水（ドレン水）」の問題です。

これは、エコジョーズの構造上、絶対に避けて通れない問題です。

1. エコジョーズは「汗」をかく

先ほど、「熱い排気ガスを再利用して熱を奪う」と説明しました。この時、排気ガスが冷やされることで、結露（けつろ）が起こります。

夏場、冷たい氷水の入ったグラスの表面に水滴がつきますよね？あれと同じ原理です。給湯器の内部で、大量の水滴が発生するのです。これを「ドレン水」と呼びます。

エコジョーズを使っている間、このドレン水はポタポタと出続けます。その量は意外と多く、1日でバケツ1杯分くらいになることもあります。

2. ただの水じゃない！「酸性」の水

「水が出るだけなら、その辺に垂れ流しておけばいいんじゃない？」そう思うかもしれませんが、絶対にNGです！なぜなら、このドレン水は「弱酸性」の性質を持っているからです。（お酢や炭酸水と同じくらいです）

もし、この酸性の水を適切に処理せず、垂れ流しにしてしまうと、次のような深刻なご近所トラブルを引き起こします。

【トラブルその1】お隣の敷地へ侵入
給湯器が家の境界線ギリギリに設置されている場合、垂れた水がそのままお隣の敷地に流れ込んでしまうことがあります。人の家の庭を勝手に水浸しにするのですから、当然クレームになります。
【トラブルその2】コンクリートや金属を腐食させる
酸性の水は、コンクリートを少しずつ溶かしたり、金属を錆びさせたりします。お隣のブロック塀や、大切な自転車、アルミ製のフェンスなどに長期間かかり続けると、変色やサビの原因になります。
【トラブルその3】植物を枯らす、コケが生える
大切に育てている植木や花壇に酸性の水が流れ込むと、植物が枯れてしまうことがあります。また、常にジメジメした場所ができるため、緑色のコケやカビが生えて見栄えが悪くなることもあります。

エコジョーズを設置する場合、この「ドレン水を必ず下水道に流す工事（ドレン排水工事）」が法律（ガイドライン）で義務付けられています。

しかし、残念ながら手抜き工事や知識不足の業者によって、適切な処理がされていないケースが稀にあり、それがトラブルの原因となるのです。

第3章：その他の「気になる」ポイント（ニオイ・音）

湯気と排水ほどではありませんが、念のため知っておきたいポイントです。

1. 排気ガスのニオイ

エコジョーズに限らず、ガス給湯器はガスを燃やすので、多少の排気ガスのニオイはします。

通常の使用であれば問題ありませんが、もし排気口がお隣の家の「換気扇」や「通気口」、「窓」のすぐ近くにあると、風向きによってはニオイが家の中に入り込んでしまう可能性があります。

「最近、なんだかガス臭い気がする…」とお隣さんに不安を与えてしまうかもしれません。

2. 運転音や振動

最近のエコジョーズは非常に静かですが、それでも機械が動く「ブォーン」という低い音や、微細な振動は発生します。

これも設置場所の問題で、お隣の「寝室」や「書斎」の真横に給湯器があると、静かな夜間などは気になってしまうかもしれません。

第4章：これで安心！トラブルを100%防ぐための【設置前】チェックリスト

ここまで読んで「なんだか怖くなってきた…」と思った方もいるかもしれません。でも、大丈夫です！ここまでのトラブル原因は、すべて「設置する前」の工夫で防ぐことができます。

これから工事を依頼する方は、必ず施工業者さんと以下の点を確認してください。これが運命の分かれ道です。

チェック①：排気口の向きは大丈夫？

これが最も重要です。「湯気」や「ニオイ」が、お隣さんの迷惑にならない方向へ向くように設置計画を立てましょう。

お隣の窓、玄関、洗濯物干し場、換気口に排気口が直撃していませんか？
もし、どうしてもその場所にしか設置できない場合は「排気カバー（排気変更アダプター）」という部材を付けてください。これを使えば、排気の向きを上や横に変えて、お隣への直撃を避けることができます。数千円〜1万円程度の追加費用で済むので、絶対にケチらないでください。