タカラスタンダードのシステムキッチンの中でも、特に人気の高い中級グレード「トレーシア(Treasia)」と、スタンダードグレード「グランディア(Grandia)」。
どちらもタカラ独自の「高品位ホーロー」を使用しており、耐久性や掃除のしやすさは抜群です。しかし、カタログを見比べてみても「一体どこが違うの?」「価格差に見合う価値はあるの?」と迷ってしまう方が非常に多くいらっしゃいます。
結論から言うと、この2つの決定的な違いは以下の3点です。

- デザインの選択肢(取手、扉カラー、質感)
- 選べるオプションの幅(家事らくシンクの有無など)
- 細部の仕様(ワークトップの素材、引き出しの構造)
この記事では、リフォーム営業の視点も交えながら、トレーシアとグランディアの違いを徹底的に比較し、あなたが「どちらを選ぶべきか」を明確にします。
【比較表】トレーシアとグランディアの主な違い一覧
まずは、両者のスペックの違いをひと目でわかる比較表にまとめました。

「おしゃれなデザインにこだわりたい」「家事らくシンクを使いたい」ならトレーシア。 「ホーローキッチンであればデザインはシンプルで良い」「価格を抑えたい」ならグランディア。
これが基本的な選び方です。それでは、具体的な違いを深掘りしていきましょう。
違い①:デザインと扉カラーのバリエーション
もっとも大きな違いは「見た目の選択肢」です。キッチンはLDKの顔となるため、デザイン性は非常に重要です。

トレーシア:トレンドを押さえた高級感
トレーシアは「見せるキッチン」を意識しており、インテリアに馴染むカラーが豊富です。
- カラー数: 18色前後
- 特徴: 流行の「コンクリート調(グレー系)」や、リアルな「アンティーク木目調」が選べます。
- モール(枠)デザイン: 扉に凹凸のある框(かまち)デザインを選ぶことができ、海外風のクラシックなキッチンも実現可能です。
グランディア:清潔感のあるシンプルさ
グランディアは「ホーローの良さ」を活かした、シンプルでベーシックな色が中心です。
- カラー数: 14色前後
- 特徴: 清潔感のあるホワイトやベージュ、ベーシックな木目が中心。「ツルツルした鏡面仕上げ」が多く、マットな質感やニュアンスカラーは少なめです。
クロノポイント: インスタグラムなどで見る「くすみカラー」や「モルタル風」のキッチンにしたい場合、グランディアでは色が選べず、トレーシア一択になることが多いです。
違い②:「家事らくシンク」が選べるかどうか
タカラスタンダードを選ぶ理由として多くの人が挙げるのが、機能的な「家事らくシンク」です。


トレーシア:家事らくシンクOK
トレーシアでは、オプションで「家事らくシンク」を選択できます。 シンクが3層構造になっており、「洗う・切る・捨てる」がシンク内で完結するため、調理スペースが汚れず、効率が劇的にアップします。
グランディア:家事らくシンクNG
残念ながら、グランディアでは「家事らくシンク」を選ぶことができません。 一般的な「Zシンク(ステンレス)」や「アクリル人造大理石シンク」から選ぶことになります。



注意点: 「絶対に家事らくシンクが良い!」という場合は、この時点でグランディアは選択肢から外れます。ここが一番の分かれ道と言っても過言ではありません。
違い③:ワークトップ(天板)の素材グレード
キッチンの天板(ワークトップ)は、毎日食材を置き、作業をする場所です。実はここにも「標準仕様」の差があります。


トレーシア:アクリル人造大理石が標準
トレーシアは、変色しにくく、熱や衝撃に強い「アクリル人造大理石」が標準仕様です。高級感があり、長く使っても黄ばみにくいのが特徴です。また、高級人造大理石「クォーツストーン」も選択可能です。
グランディア:ポリエステル系が標準
グランディアの標準仕様は、一般的に「ポリエステル系の人造大理石」です。 ポリエステル系は、アクリル系に比べると熱に弱く、長期間使用すると紫外線などで黄ばみが出やすい傾向があります。(※オプションでアクリル系に変更できる場合もありますが、差額が発生します)
違い④:収納力とキャビネットの構造
どちらも「まるごとホーローキャビネット」を採用しており、キャビネットの中まで鉄とガラス質のホーローでできています。カビやニオイに強く、掃除が楽な点は同じです。しかし、引き出しの構造に差があります。


トレーシア:デッドスペースを活かす「内引出し」
トレーシアのキャビネットは、大きな引き出しの中に、さらに「内引出し(スライド収納)」が付いているタイプが選べます。 お玉やラップなどの小物を整理しやすく、上部の空間を無駄なく使えます。また、底板もホーロー製で磁石の仕切り(間仕切り名人)が自由に使えます。
グランディア:シンプルな2段スライド
グランディアは基本的にシンプルな2段引き出しです。 上部の空間が空いてしまうことがあるため、自分でラックなどを入れて工夫する必要があるかもしれません。もちろん、収納力自体は十分高いレベルにあります。
違い⑤:価格差(見積もり目安)
気になる価格差ですが、同じI型255cmのサイズで比較した場合、定価ベースではなく「実勢価格(リフォーム会社からの出し値)」で考えると、おおよそ以下の差が出ます。
- 価格差の目安:約10万〜20万円


トレーシアの方が高いですが、この差額で「家事らくシンク」や「アクリル人造大理石」「デザイン性」が手に入ると考えると、コストパフォーマンスはトレーシアの方が高いと感じる方も多いです。
一方で、「キッチンは料理ができれば十分。でも木製キッチンは腐るから嫌だ」という方には、価格を抑えて「全ホーロー」が手に入るグランディアは最強のコスパ商品と言えます。
結局、どっちを選ぶべき?
ここまでの比較を踏まえて、それぞれおすすめな人をまとめました。
「トレーシア」がおすすめな人


- インテリアにこだわりたい人(グレー、濃色、框デザインが好き)
- 「家事らくシンク」を使いたい人
- 天板の変色や劣化を気にしたくない人(標準でアクリル人大が良い)
- 収納の使い勝手を追求したい人
「グランディア」がおすすめな人


- 予算を抑えたいが、ホーローキッチンにはしたい人
- デザインはシンプル(白やベージュ)で十分な人
- 特殊なシンク機能(家事らくシンク)は不要な人
- 実用性重視で、高級感よりも清潔感を求める人
よくある質問(FAQ)
- グランディアでもマグネットは付きますか?
-
はい、付きます。 トレーシアもグランディアも「高品位ホーロー」を使用しているため、キッチンパネル、引き出しの表面、引き出しの底板、レンジフードなど、あらゆる場所にマグネットが付きます。
- どちらも「まるごとホーロー」ですか?
-
はい、どちらも「まるごとホーロー」です。 見えないキャビネットの裏側や内側までホーローで作られている点は、両シリーズ共通の強みです。木製キャビネットのように湿気で腐る心配がありません。
- オフェリアとグランディアの違いは何ですか?
-
販売ルートとキャビネットの素材が違います。 「オフェリア」はホームビルダー向け(業者向け)商品で、一般のカタログには載っていません。オフェリアの最大の特徴は「木製キャビネット」であることです(※引き出し底板などはホーロー)。 対して「グランディア」は一般向け商品で、中身まで鉄製の「ホーローキャビネット」です。耐久性はグランディアの方が上です。


まとめ:ショールームで実物を確認しよう
タカラスタンダードの「トレーシア」と「グランディア」は、どちらも耐久性抜群の素晴らしいキッチンです。


- デザインと機能性を妥協したくないなら トレーシア
- ホーローの耐久性をコスパよく手に入れたいなら グランディア
カタログやネットの情報だけで決める前に、必ずショールームで実物を見て、触って比較することをおすすめします。特に「扉の質感」や「引き出しの開け閉めの感覚」は、実物を見ないと分かりません。



リフォームは高い買い物です。後悔のないように、まずはプロに見積もりを依頼して、実際の価格差を確認してみましょう。


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