TOTO「きれい除菌水」は必要ない？後悔する前に知っておくべきデメリットと維持費の真実

「トイレやキッチンのリフォームでTOTOを検討中。『きれい除菌水』という機能をおすすめされたけど、本当に必要？」 「効果が見えないものにお金を払って、後で後悔したくない…」

TOTOのCMやカタログで目にする「きれい除菌水」。 薬品を使わずに水を電気分解して除菌成分を作るという、まさに魔法のような技術ですが、ネットで検索すると「後悔」「いらない」「故障」といった不穏なワードが出てきて不安になっていませんか？

結論から言うと、きれい除菌水は「掃除の回数を劇的に減らしたい人」には神機能ですが、「掃除がゼロになると思っている人」には後悔の種になります。

この記事では、リフォームのプロの視点から、メーカーのカタログには小さくしか書かれていない「きれい除菌水のデメリット」や「ランニングコスト（交換費用）」について徹底的に解説します。これを読めば、あなたにとってこの機能が必要かどうかが明確になります。

1. そもそも「きれい除菌水」とは？何がそんなに凄いの？

後悔ポイントを知る前に、まずは基本をおさらいしましょう。ここを勘違いしていると、後で必ず「話が違う！」となります。

水道水が「除菌水」に変身し、また水に戻る

「きれい除菌水」は、洗剤や薬品を補充する必要がありません。 水道水に含まれる「塩化物イオン」を電気分解して、除菌成分（次亜塩素酸）を含む水を作り出します。

• 効果： 除菌、分解（汚れの抑制）、漂白
• 安全性： 時間が経つと普通の水に戻るため、環境に優しく、口に入っても（飲用ではありませんが）安全です。

トイレの黒ずみ防止、キッチンの網カゴのぬめり防止、歯ブラシの除菌など、TOTOのトイレ・洗面台・キッチン・お風呂に搭載されています。

2. きれい除菌水で「後悔」する5つのパターン

では、素晴らしい技術であるはずのきれい除菌水で、なぜ後悔する人がいるのでしょうか？ 主な理由は「過度な期待」と「維持費・仕様の誤解」です。

後悔①：「掃除しなくていい」と勘違いしていた

これが最大の後悔理由です。 きれい除菌水は「汚れをつきにくくする（予防）」機能であり、「ついた汚れを落とす（洗浄）」機能ではありません。

• できること： 「ピンク汚れ（酵母・カビ）」や「黒ずみ（菌）」の発生を抑える。
• できないこと： 固着した水垢、ホコリ、こびりついた油汚れ、硬くなった尿石を削り落とすこと。

「きれい除菌水があるから掃除ゼロ！」と思ってサボり続けると、水垢（ミネラル分）は普通に溜まります。「全然きれいにならないじゃないか！」というのは、この機能の守備範囲外を求めてしまっているケースが大半です。

後悔②：ユニットの「寿命」と「交換費用」を知らなかった

きれい除菌水を作るための「除菌水生成ユニット」は、永久に使えるわけではありません。電化製品なので寿命があります。

• 寿命の目安： 一般的な家庭での使用で約10年と言われています。
• 交換費用： ユニット単体の交換は難しく、機能部ごとの交換や修理対応になることが多く、数万円〜（場合によってはウォシュレットごとの買い替え）の出費になります。

10年後に「除菌水が出なくなった！修理代が高い！」と驚かないよう、消耗品に近い設備であることを理解しておく必要があります。（※ただし、除菌水機能が壊れても、普通の水は出るのでトイレや水栓としては使い続けられます）

後悔③：独特の「ニオイ」が気になる

きれい除菌水は「次亜塩素酸」を含むため、散布直後にプールの消毒液のようなニオイ（カルキ臭）がわずかにします。

感じ方： ほとんどの人は「清潔な感じがする」「気にならない」と言いますが、臭いに敏感な方や、塩素のニオイが大嫌いな方にはストレスになる可能性があります。

後悔④：水回りの「水垢（白い跡）」が目立つ場合も

特にキッチンや洗面台で、黒や濃い色の天板・シンクを選んだ場合に起こりうる後悔です。 きれい除菌水を使用した後は、自然乾燥させることが多いですが、水道水よりもミネラル分が残りやすい傾向があるため、乾いた後に「白い輪っか（カルキ跡）」が残ることがあります。

「除菌はできているけど、見た目が白っぽくなって汚く見える」というジレンマに陥ることがあります。

後悔⑤：作動音が気になる

トイレやキッチンで、使用後に自動で「シューー、ミスト」と除菌水を吹きかける音がします。 寝室のすぐ隣にトイレがある場合など、深夜の静寂の中ではこの作動音が「うるさい」と感じる人が稀にいます。（※設定でオフにすることも可能です）

3. 場所別検証：トイレ・キッチン・洗面・お風呂、どこなら必要？

きれい除菌水は家中の水回りに採用されていますが、場所によって「必要度」が異なります。プロの視点でジャッジしました。

【トイレ】（ネオレスト・アプリコットなど）

判定：★必須レベル（絶対につけるべき）

トイレこそ、きれい除菌水の真価が発揮される場所です。 「サボったリング（黒ずみ）」の原因は菌です。使用後に自動で除菌水をふきかけてくれるだけで、ブラシ掃除の頻度が「週1回」から「月1回」に減ったという声も珍しくありません。 ノズルの洗浄も除菌水で行うため、ウォシュレットの衛生面でも圧倒的な安心感があります。ここはケチらず採用すべきです。

【キッチン】（ザ・クラッソ）

判定：人による（料理頻度が高いならアリ）

キッチンのきれい除菌水は、専用の吐水口から出ます。

• メリット： まな板、包丁、ふきんの除菌が手軽。排水口の網カゴのヌメリ抑制が強力。
• デメリット： 網カゴのヌメリ抑制は、最後に手動で吹きかける必要がある（自動ではない機種も多い）。

「まな板を毎日ハイターするのが面倒」という人には神機能ですが、食洗機で高温洗浄している人には不要かもしれません。

【洗面台】（オクターブなど）

判定：あると便利だが、なくても困らない

• メリット： 歯ブラシの除菌ができる。排水口のヌメリを抑える。
• 注意点： 歯ブラシ除菌は魅力的ですが、それだけのためにグレードを上げる価値があるかは予算次第です。

【お風呂】（シンラ・サザナなど）

判定：予算が許せば採用したい（床ワイパー洗浄）

お風呂では「床ワイパー洗浄」という機能で、最後に除菌水を床に撒きます。

• 効果： ピンク汚れ（赤カビ）の発生を劇的に抑えます。
• コスト： オプション費用が高額になりがちです。

お風呂掃除の中で「床のピンク汚れ」が一番のストレスなら、導入して後悔はありません。

4. きれい除菌水のランニングコストは？

「電気代や水道代が高くなるのでは？」という心配もあるでしょう。

• 電気代・水道代： ほとんど誤差の範囲です。通常の水を使うのと変わらず、電気分解にかかる電気代も微々たるものです。
• 最大のコスト： 前述した通り、10年前後で訪れる「故障・交換リスク」です。

これを「高い」と見るか、「10年間、掃除の手間を減らしてくれた対価」と見るかです。 個人的には、10年間トイレ掃除の苦痛を半減できるなら、数万円の修理費（または買い替え）は十分元が取れる投資だと考えます。

5. 結論：きれい除菌水を選んで「正解」なのはこんな人

ここまでのメリット・デメリットを踏まえて、あなたがきれい除菌水を採用すべきかどうかの最終結論を出します。

✅ 導入すべき人（満足度が高い人）

• 「見えない菌」が気になる潔癖気味な人 ノズルや排水口が常に除菌されている安心感はプライスレスです。
• トイレ掃除、排水口のヌメリ取りが大嫌いな人 黒ずみやピンク汚れの発生頻度が明らかに下がります。掃除の回数を減らしたいなら必須です。
• まな板や布巾の煮沸消毒・漂白が面倒な人 シュッとかけるだけで除菌完了の手軽さは、家事時短に直結します。
• 最新機能を試したい人 TOTOの技術の結晶であり、他メーカーにはない唯一無二の機能です。

❌ 導入を見送ってもいい人（後悔しそうな人）

• 物理的な汚れ（水垢・ホコリ）も落ちると思っている人 「掃除不要」ではありません。あくまで「きれい長持ち」です。
• 初期費用と将来のメンテナンス費を極限まで抑えたい人 シンプルな機能の製品を選び、手作業で掃除する方が安上がりです。
• 塩素のニオイに極端に敏感な人 ショールームで実際にニオイを確認することをおすすめします。
• 洗面台やキッチンの色が「黒・濃色」の人 除菌水の成分による白い水跡が気になる可能性があります。

6. まとめ：TOTOを選ぶなら「きれい除菌水」は体験すべき価値がある

「きれい除菌水」で後悔する人の多くは、機能への「期待値のズレ」が原因です。

魔法のように汚れを消し去るわけではありませんが「菌の繁殖を抑えて、きれいな状態を長くキープする」という点において、現在販売されている住宅設備の中でトップクラスの性能であることは間違いありません。

特にトイレ（ネオレスト・アプリコット）におけるきれい除菌水の恩恵は絶大です。「これがあるからTOTOから浮気できない」というリピーターが続出しているのも事実です。

もしあなたが、 「毎日の家事負担を少しでも減らしたい」 「家族のために、見えない部分も清潔に保ちたい」 と考えているなら、きれい除菌水は絶対に後悔しない選択になるはずです。

ぜひ一度、お近くのTOTOショールームで実演を見てみてください。実際に「除菌水」が作られる様子やニオイを確認すれば、あなたの家にとって必要かどうか、きっと答えが出るはずです。

安くキッチンをリフォームするなら相見積もりが必須

リフォーム業者ごとにキッチンの販売価格が異なるため、より安くキッチンを交換したい場合は相見積もりが必要です。3社ほどに見積もりを依頼して、比較検討しましょう。