樹脂製の素材である人工大理石は、クリナップとパナソニックで、シンクや天板に採用されています。(2024年3月時点)
ベージュやブルーなどおしゃれな色柄があるため、人気な素材ですが、実際に採用した方からは「人工大理石を選ばなきゃよかった!」と後悔の声が聞こえることもしばしば…。
そこで、この記事では、採用した方がどういう点に後悔しているのか、選ぶ際に注意すべきことはあるかなどを解説していきますので、キッチン選びを進めている方はぜひ参考にしてみてください。
ちなみに…天然大理石を砕いたものをセメントや樹脂で固めてつくられている「人造大理石」とは名前が似ていますが、細かく言えば違う素材です。ただ、樹脂を多く含んでいるため、素材としてのメリット・デメリットは似ている部分もあります。
キッチンに人工大理石を採用するデメリット
①汚れやシミが目立つ
②耐熱・耐久性が低い
③傷から汚れが染み込む
④デザインに飽きることもある
⑤こまめに掃除が必要になる
デメリット①汚れやシミが目立つ
ステンレスよりも汚れやシミがつきやすいため、ホワイトなど明るい色の人工大理石を採用すると、特に汚れやシミが目立ち「ステンレスにすればよかった」と後悔する声が多いです。
中には「漂白剤を使っても、すぐに汚れが復活する…」という声もあり、皆さん掃除に苦戦しているようですね…。
デメリット②耐熱・耐久性が低い
ステンレスは素材自体なら1,000℃まで、キッチン用として加工されたものなら500℃程度まで耐えられますが、人工大理石は200〜300℃程度までしか耐えられません。
強火で鍋やフライパンを熱し続けると、300℃を超える場合もあるため、そのまま人工大理石の上に置くと、変色・変形が起きる可能性が高いです。
そのため、長年ステンレスキッチンを使ってきた方が、同じように人工大理石キッチンを使った結果、変色・変形が起きてしまったケースもあります。
昨今では、耐熱・耐久性を改善した人工大理石が使われるようになっていますが、ステンレスなど丈夫な素材には劣るので、採用前に「普段の使い方でも大丈夫なキッチンかな?」と考えてみましょう。
デメリット③傷から汚れが染み込む
樹脂製である人工大理石は柔らかいため傷つきやすい上、表面が傷つくと、そこから汚れが染み込み、汚れがとれにくくなります。
選ぶ方が多い明るいホワイト色では傷や染みた汚れが目立ちやすく「ステンレスにすればよかった…」と後悔する方も多いです。
人工大理石を採用する場合は、傷つきやすいなどの弱点を理解した上で、色柄・商品選びをする必要があります。
デメリット④デザインに飽きることもある
人工大理石の色柄は、ピンクやイエローなど可愛い色合いのものがラインナップとしてありますが、デザインに飽きてしまうケースもあります。
ステンレスのような無機質な素材であれば飽きがきにくいですが、色柄がある人工大理石を選ぶ際には「飽きるデザインではないか」をチェックすることも大切です。
デメリット⑤こまめに掃除が必要になる
人工大理石は、耐久性が低く、傷・シミがつきやすいなどの弱点があるため、ステンレスなど丈夫な素材より、こまめに掃除が必要です。
掃除をしないまま汚れをためていると、黄ばみになったり、鍋を置いた跡がついたりと、美観を損ねてしまうので、採用する際は、自分の掃除の頻度についても考える必要があります。
- キッチン掃除って面倒なんだよな〜
- 週1やればいい方かな〜
このように、掃除をするのが面倒と感じる方や、忙しくて掃除の時間を確保できないという方は、ステンレスなど、掃除に手間がかからない素材を選ぶのがおすすめです。
キッチンシンクに人工大理石を採用するメリット
①水垢が目立ちにくい
②色柄のバリエーションが多い
③水はねの音が静か
メリット①水垢が目立ちにくい
ステンレスよりも水垢が目立ちにくく、中性洗剤を使用すればスポンジで優しくこすれば綺麗にできます。
黄ばみや傷がつきやすい人工大理石ですが、水垢は目立ちにくいので「水垢が目立たない素材がいい」と人工大理石を選ぶ方も多いです。
メリット②色柄のバリエーションが多い
人気のホワイト色以外にも、ピンクやブルー、ベージュなど色柄のバリエーションが多く、扉材や家具とのコーディネートを楽しめます。
ステンレスでは、エンボス加工など、選択できるのは基本的に加工の種類になるので、人工大理石ならではの魅力です。
メリット③水はねの音が静か
柔らかい樹脂製である人工大理石は、ステンレスよりも水はねの音が静かなので、LDKが開放的な空間であっても音が響きにくいです。
レンジフード(換気扇)の前を壁にするなど、追加で工夫をすれば、キッチンの使用音が響くのを軽減できます。
人工大理石キッチンを使う際の注意点
・鍋敷きを使う
・濡れた金属製品を放置しない
・掃除方法はメーカーの説明書を読む
注意点|鍋敷きを使う
耐熱性が500℃以上あるステンレスなら問題ないですが、人工大理石の場合は、熱いフライパンや鍋をそのまま置かず、必ず鍋敷きを使いましょう。
そのまま置くと、変色・変形を起こしたり、跡が残ったりします。
自分では補修が難しい状況になるケースが多いので、失敗してしまったのなら、プロの専門業者に相談するのがおすすめです。
注意点|濡れた金属製品を放置しない
上記のような鉄フライパンなど、濡れた金属を人工大理石の上に放置すると、サビが付着してしまう「もらいサビ」が起き、洗剤でこすってもとれない汚れとなります。
付着してからすぐであれば、クリームクレンザーなどを使えば綺麗にできるので、すぐに対処するのがおすすめです。
メーカーによって使用できるものが異なります!「メーカー キッチン 人工大理石 お手入れ」などで検索するか、購入の際にもらった取扱説明書・お手入れブックをチェックして、使用できる洗剤を確認しましょう。
注意点|掃除方法はメーカーの説明書を読む
「漂白剤は使用不可」など、同じ人工大理石でも使っている樹脂や成分が異なると、使用できる洗剤が異なります。
また、掃除方法についてもメーカーによって異なるので、取扱説明書をよく読みましょう。
適さない方法で掃除すると、逆に状態を悪化させてしまう可能性が高いです。シミや変色の原因にもなるので、作業する際には注意する必要があります。
人工大理石キッチンを掃除する際の注意点
・研磨剤20%以下のクレンザーを使う
・漂白剤は変色の恐れあり
・硬いタワシは使わない
掃除の注意点|研磨剤20%以下のクレンザーを使う
研磨剤成分が多すぎると、人工大理石を傷つけてしまうので、研磨剤20%以下のソフトクレンザーを選びましょう。
また、クレンザーにはクリーム・粉・ペーストと3種類ありますが、柔らかい人工大理石にはクリームがおすすめです。
掃除の注意点|漂白剤は変色の恐れあり
塩素系やアルカリ性の洗剤・漂白剤を原液や高温で使用したり、長時間放置しない。
引用元:クリナップ|ST003_STEDIA_202102
サビや変色の原因になります。また、上記洗剤はなるべく使用を控えてください
人工大理石を採用しているクリナップでは、サビや変色の恐れがあるため漂白剤の使用をなるべく控えるように記載しています。
黄ばみなど、汚れが付着しやすいのが人工大理石のデメリットなので「漂白剤で綺麗にしたい!」と思う方は多いと思いますが、漂白箇所が目立つ結果になる他、汚れを悪化させてしまう恐れもあるので注意しましょう。
掃除の注意点|硬いタワシは使わない
中性洗剤やソフトクレンザーでこする場合は、柔らかいメラミンスポンジを使い、硬い金属タワシは使わないようにしましょう。
人工大理石は柔らかいので傷つきやすいです。
綺麗にしようと金属タワシを使って「逆に傷が増えた…」という失敗をしないよう、掃除の際には注意してください。
人工大理石を選ぶ際のポイント
・アクリル樹脂の方がおすすめ
・他の素材の特徴と比較する
アクリル樹脂の方がおすすめ
人工大理石に使う樹脂は、主に「アクリル樹脂」と「ポリエステル樹脂」がありますが、アクリル樹脂の方がおすすめです。
ポリエステル樹脂よりも硬いので傷がつきにくく、高級感もあります。
同じ人工大理石でも、使っている樹脂の種類や加工方法などによって、少しでも弱点をカバーできる可能性があるので、素材についてもチェックしましょう。
他の素材の特徴と比較する
人工大理石を選んで後悔しないためには、人工大理石のメリット・デメリットと合わせて、他の素材のメリット・デメリットを理解した上で選ぶことが大切です。
次章で、人工大理石以外の素材について紹介していきますので、そちらを参考にしてみてください。
人工大理石以外でキッチンに採用される素材
人工大理石以外でキッチンに採用されている素材のメリット・デメリットを紹介していきます。
人造大理石
基本的には人工大理石と特徴は同じですが、天然大理石を砕いて使っていることから、人工大理石より高級感がある一方、価格は人工大理石より高めです。
メリット | ・価格が安い ・色柄が豊富 ・人工大理石より高級感がある |
デメリット | ・人工大理石より価格は高め ・傷つきやすい |
ステンレス
丈夫で綺麗を保ちやすいステンレスは、価格が安いため「コスパ重視」の方にもおすすめの素材です。
メリット | ・耐久性、耐熱性が高い ・価格が安い |
デメリット | ・水垢が目立つ ・色柄は選べない |
セラミック
主にLIXILのキッチンで採用されているセラミックは、高い温度で成形される陶器のような素材です。
まな板なしで包丁を使っても傷つかないほど耐久性が高く、高級感があるのが魅力となっています。
メリット | ・耐久性が高い ・高級感がある |
デメリット | ・食器が割れることがある ・価格が高い |
クォーツストーン
天然成分「石英(クォーツ)」を砕き、ポリマー樹脂で固めて作られた素材です。
天然石に近い光沢があり、質感からも「本物感」が得られるのが魅力となっています。
メリット | ・傷がつきにくい ・高級感がある |
デメリット | ・高熱で変形する恐れがある |
ホーロー
主にタカラスタンダードのキッチンに採用されているホーローは、耐久性が高く、長く綺麗な状態を保てるのが魅力です。
メリット | ・耐久性が高い ・長く綺麗な状態を保てる |
デメリット | ・価格が高い |
木材
ウッドワンのフレームキッチンなどに採用されている木材は、家具と合わせやすい点などがメリットですが、人工大理石やステンレスなどと比べて補修がしづらいのがデメリットです。
メリット | ・木の温もりを感じられる ・家具と合わせやすい |
デメリット | ・補修が難しい ・劣化が目立つ |
タイル
1つ1つの部材を組み合わせてつくる造作キッチンでは、天板にタイルが使用されることもあります。
半永久的に使える素材で、独特の高級感を演出できるのが魅力です。
メリット | ・半永久的に使える ・高級感を演出できる |
デメリット | ・価格が高い ・割れる危険性がある |
人工大理石のシンクでよくある質問
ステンレスとどっちがいいの?
それぞれにメリット・デメリットがあるので「何を重視するか」で、どちらが適しているかが決まります。
例えば「おしゃれな見た目を重視したい」という場合は人工大理石(メーカーによっては人造大理石)、丈夫さを重視したいのであればステンレスなど、自分で重視するポイントを決めて素材を選びましょう。
人工大理石は日焼けする素材?
直射日光が当たる場所にあると、日焼けをします。
人工大理石は日焼けをしやすい素材なので、ステンレスやセラミックなどよりも日焼け対策が必要です。
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