キッチンの天板(ワークトップ)選びで、今最も注目されている高級素材「クォーツストーン」。 天然石のような重厚感とキラキラとした輝きは、一度ショールームで見ると忘れられない魅力がありますよね。
しかし、システムキッチンのオプション費用としては数十万円単位のプラスになる高額商品。「一生モノの買い物だからこそ、絶対に失敗したくない」と考えるのは当然です。
ネットで検索すると「クォーツストーン 後悔」「割れる」「変色」といった不穏なワードが出てきて不安になっていませんか?
結論から言うと、クォーツストーンは非常に満足度の高い素材ですが、「無敵」ではありません。 特有の弱点を知らずに扱うと、確かに後悔するリスクがあります。
この記事では、良い面ばかりではなく、あえて「クォーツストーンを選んで後悔する具体的なポイント」を5つ挙げ、その回避策まで徹底的に深掘りします。これを読めば、あなたがクォーツストーンを選ぶべきか、自信を持って決断できるはずです。
クォーツストーンで「後悔」する代表的な5つのパターン
クォーツストーンは、天然の水晶(クォーツ)を約93%砕いて使用し、残りの約7%を樹脂などで固めた素材です。この「樹脂」が含まれていることが、メリットでもあり、実は後悔の原因にもなります。
実際に導入した人が「しまった!」と感じるポイントは以下の5つです。
1. 「熱」による変色・変形(最大の落とし穴)
最も多い後悔がこれです。「石だから熱に強いだろう」と思い込み、アツアツのフライパンや鍋を直置きしてしまうケースです。

後悔の理由: クォーツストーンには、つなぎ材として「ポリエステル樹脂」が含まれています。この樹脂は一般的に約200℃前後で変化が生じると言われています。 加熱した直後のフライパンや油鍋はそれ以上の温度になることがあり、直置きすると樹脂が化学反応を起こして白く変色したり、輪ジミができたりすることがあります。一度変色すると、元には戻りません。
対策: 「鍋敷き」を必ず使うこと。 これだけで解決します。 もし「絶対に鍋敷きを使いたくない」「オーブン皿をガンガン置きたい」というズボラな使い勝手を最優先するなら、樹脂を含まない「セラミックトップ(デクトンなど)」を選ぶべきです。
2. 食器を落とした時の「破壊力」
「キッチンの天板が割れる」ことよりも、「落とした食器が割れる」ことへの後悔です。

後悔の理由: クォーツストーンは非常に硬い素材です(モース硬度7前後)。これは包丁の刃よりも硬いレベルです。 そのため、ワイングラスやお気に入りの薄手の皿をうっかり落とした際、人造大理石やステンレスならセーフだった衝撃でも、クォーツストーンの上では粉々に砕け散る可能性が高くなります。
対策: これは「素材の高級感」とのトレードオフです。硬いからこそ、天板自体には傷がつきにくいのです。「おっちょこちょいだから心配」という方は、キッチンマットを敷くか、食洗機への出し入れの際は慎重に行う習慣をつけるしかありません。
3. L型キッチンや大型キッチンの「継ぎ目」
I型(一列型)のキッチンでは問題になりませんが、L型キッチンや、長さが3メートルを超えるような大型アイランドキッチンの場合に発生する問題です。

後悔の理由: 一般的なアクリル系人造大理石は、現場で接着して研磨することで、継ぎ目を「完全に消す」ことができます。 しかし、クォーツストーンは硬すぎて現場での研磨なじませが難しいため、どうしても「継ぎ目(シーム)」が見えてしまいます。 特に石目模様の流れがそこで途切れてしまうため、デザインにこだわる人ほど「ここが気になる…」と後悔することがあります。
対策: L型キッチンにする場合は、コーナー部分の継ぎ目の処理について事前にメーカーや施工店に確認しましょう。熟練の職人であれば、目立ちにくい接着剤の色を選んで綺麗に仕上げてくれますが、「完全に見えなくなるわけではない」と理解しておくことが重要です。
4. 日当たりの良い場所での「黄ばみ(紫外線)」
これは数年後に気づく「時差のある後悔」です。

後悔の理由: 含まれている樹脂は、長期間強い紫外線にさらされると化学変化を起こし、黄ばみ(黄変)が発生することがあります。 特に、大きな窓から直射日光がガンガン当たるアイランドキッチンや、半屋外(アウトドアリビング)のキッチンに採用した場合、数年後に「あれ?色がくすんできた?」と感じるリスクがあります。
対策: 基本的に屋内使用であれば、カーテンやLow-Eガラス(遮熱断熱ガラス)で紫外線をカットしていれば問題になるレベルではありません。ただし、直射日光が長時間当たる配置の場合は、濃い色(黒やグレー)を選ぶか、耐候性の高いセラミックトップを検討する方が無難です。
5. 予算オーバーと「価格」への未練
やはり最後はこれに尽きます。

後悔の理由: 標準仕様の人造大理石からクォーツストーンに変更すると、メーカーやグレードによりますが20万〜50万円ほどの増額になります。 家づくりの終盤で予算調整が必要になった時、「やっぱりあの時、天板を我慢して食洗機をグレードアップすればよかった…」と機能面にお金をかけなかったことを後悔するパターンです。
対策: キッチンは「家具」として見るか、「道具」として見るかで価値観が変わります。リビングからキッチンが丸見えの間取り(ペニンシュラやアイランド)なら、クォーツストーンの装飾効果は価格以上の価値があります。逆に、独立型キッチンで自分しか見ないなら、標準仕様でも十分かもしれません。
逆に「人造大理石」を選んで後悔するパターンとの比較
「じゃあ、高いお金を出さずに普通の人造大理石にしておけばよかった」となるかというと、そうとも限りません。比較してみましょう。

人造大理石を選んで後悔する人の声:
- 「数年使ったら、細かい擦り傷で表面が曇ってきた」
- 「カレーやコーヒーのシミが落ちにくくなった」
- 「リビングから見た時に、どうしても安っぽく見えてしまう」

クォーツストーンを選ぶ最大のメリットは「新品のような美しさが圧倒的に長く続くこと」です。初期投資は高いですが、10年後、20年後の美しさを考えれば、決して高い買い物ではありません。
主要ブランド別・選ぶ際の注意点
一口にクォーツストーンと言っても、いくつかの有名ブランドがあります。システムキッチンのメーカーによって選べるブランドが異なります。
1. シーザーストーン (Caesarstone)
- 特徴: イスラエル発、クォーツストーンのパイオニア的存在。世界トップシェア。
- 採用メーカー: トクラス、TOTO、パナソニック(Lクラスの一部)など。
- ポイント: 色柄のバリエーションが豊富で、品質も安定しており最も信頼性が高いです。
2. フィオレストーン (Fiorestone)
- 特徴: 日本のアイカ工業が製造・販売。
- 採用メーカー: タカラスタンダード(レミュー)、クリナップなど。
- ポイント: 日本メーカー製なので安心感があり、国内在庫も安定しています。タカラスタンダードでの採用率が高いです。
3. サイルストーン (Silestone)
- 特徴: スペインのコセンティーノ社製。
- ポイント: 抗菌機能などが付加されているモデルもあります。輸入キッチンなどでよく見られます。
注意点: ブランドによる性能差(硬さや耐熱性)は誤差の範囲です。「好みの色柄があるか」「キッチンメーカーが標準オプションとして安く仕入れているか」で選んで問題ありません。
後悔しないための「メンテナンス」の鉄則
クォーツストーンを導入した場合、以下の3つを守れば「後悔」は「満足」に変わります。

- 鍋敷きは必ず使う
- これを習慣化するだけで、変色リスクはゼロになります。おしゃれな鍋敷きを集めるのも楽しみの一つです。
- メラミンスポンジ(激落ちくん等)は使いすぎない
- 硬い素材ですが、艶のあるタイプの場合、メラミンスポンジで毎日ゴシゴシ擦りすぎると、コーティングや樹脂部分の艶が引けてしまう可能性があります。基本は水拭きか中性洗剤で十分落ちます。
- 漂白剤(ハイター)の長時間放置は避ける
- 吸水率が0.02%程度と極めて低いため、汚れは染み込みません。もし茶渋などがついても、キッチン泡ハイターなどをかけて数分放置すれば綺麗になります。ただし、一晩パックするなど長時間の放置は変色の原因になるので避けましょう。
【結論】クォーツストーンを採用して幸せになれる人・なれない人
これまでの情報を整理して、あなたが選ぶべきか判定します。
❌ やめたほうがいい人(後悔する予備軍)

- 「絶対に鍋敷きを使いたくない」という強いこだわりがある人。
- → セラミックトップをおすすめします。
- キッチンは人に見られない場所にあり、見た目よりコスト重視の人。
- → 高機能な人造大理石またはステンレスをおすすめします。
- 直射日光が常に当たり続ける場所にキッチンを置く人。
⭕️ 採用すべき人(幸せになれる人)

- リビングダイニングのインテリアにこだわりたい人。
- キッチンを「家の主役」にしたい人。
- 掃除は楽な方がいいけれど、ステンレスの傷や水垢は嫌な人。
- 「本物の質感」が好きだけれど、天然石のような面倒なメンテナンス(吸水防止処理など)はしたくない人。
よくある質問(Q&A)
- 割れてしまった場合、修理はできますか?
-
完全な修復は難しいですが、補修は可能です。 専用の補修材で埋めて研磨することで、傷や欠けを目立たなくすることは可能です。ただし、割れの入り方によっては跡が残る場合もあります。これは天然石やセラミックも同様です。
- タカラスタンダードの「クォーツストーン」はお得と聞きましたが?
-
はい、コストパフォーマンスが高いと評判です。 タカラスタンダードの最上位機種「レミュー」などで選べるクォーツストーン(フィオレストーン等)は、他社に比べてオプション差額が比較的抑えられているケースが多いです。クォーツ狙いなら一度見積もりを取る価値があります。
- 重さは問題になりませんか?
-
非常に重いですが、施工業者が対応します。 通常の天板より重いため、搬入経路(2階キッチンなど)やキャビネットの強度確認が必要ですが、大手システムキッチンメーカーの製品として選ぶ場合は計算済みなので心配ありません。リフォームで天板だけ載せ替える場合は、床や筐体の強度確認が必要です。
まとめ:デメリットを理解していれば、クォーツストーンは「最強の天板」
クォーツストーンで後悔する人の大半は、「石だから何をしても大丈夫」という過信が原因です。
- 熱には鍋敷きを使う。
- 硬い物を落とさないように気をつける。
この2点さえ理解していれば、クォーツストーンは「美しさ」「清掃性」「耐久性」のバランスが最も取れた、非常に満足度の高い素材です。

朝起きて、キラキラと輝く美しいキッチンを目にするだけで、その日のモチベーションが上がる。そんな体験は、数十万円の投資に見合う価値が十分にあります。
ぜひ、ショールームで実物に触れてみてください。その重厚感と冷んやりとした手触りを感じれば、あなたの迷いはきっと晴れるはずです。 後悔のない、素敵なキッチンづくりができることを応援しています!
安くキッチンをリフォームするなら相見積もりが必須
リフォーム業者ごとにキッチンの販売価格が異なるため、より安くキッチンを交換したい場合は相見積もりが必要です。3社ほどに見積もりを依頼して、比較検討しましょう。

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