「キッチンのリフォーム費用は抑えたい。でも、安っぽくて使いにくいのは絶対に嫌だ」そんな方が最終的にたどり着くのが、TOTOの「ミッテ(mitte)」と、LIXILの「シエラS(Shiera S)」という2つの傑作キッチンです。
どちらも各メーカーの「スタンダードモデル(普及価格帯)」であり、コストパフォーマンスの高さは業界トップクラス。カタログを見比べても「似たり寄ったりで違いがわからない」という声が非常に多いです。

しかし、プロの視点で見ると、この2つは「開発のコンセプト」が全く異なります。
- 水回りの掃除を楽にしたいなら「TOTO ミッテ」
- 収納力とトレンドのデザインを安く叶えたいなら「LIXIL シエラS」
この記事では、カタログスペックだけでは見えてこない「リアルな使い勝手」「価格差」「実際の評判」を徹底比較。あなたのライフスタイルに合うのはどちらか、明確な答えを出します。
1. 結論:ミッテとシエラS、あなたに向いているのはこっち!
時間がない方のために、まずは結論からお伝えします。
TOTO「ミッテ」を選ぶべき人

- 掃除がとにかく嫌いな人(水ほうき水栓・すべり台シンクが最強)
- 「除菌水」を使いたい人(まな板や布巾の清潔さを気にする人)
- 水栓(蛇口)の性能にこだわる人
- キッチンの高さ「85cm」か「90cm」で迷っている人(TOTOは昇降式で微調整可能な場合も)
LIXIL「シエラS」を選ぶべき人

- 初期費用をとにかく抑えたい人(割引率が高く、安く仕入れやすい)
- 流行りのデザインを好む人(マットブラックの水栓やスリムな天板など)
- 収納の出し入れを楽にしたい人(アシストポケットが便利)
- DIY感覚で収納パーツをカスタマイズしたい人
2. 【スペック比較表】基本性能の違いを一覧でチェック
まずは、標準的な仕様の違いを整理しましょう。

3. 【水まわり対決】TOTOミッテの圧倒的勝利?
TOTOはトイレやお風呂のメーカーだけあって、「水」を制御する技術に関してはLIXILの一歩先を行っています。ミッテを選ぶ最大の理由がここにあります。
① 洗い物が劇的に早くなる「水ほうき水栓」

ミッテと言えばこれです。オプション設定になることが多いですが、採用率は非常に高い機能です。
- 幅広シャワー: シャワーの幅が広く、お皿についた泡を一気に洗い流せます。
- エアインシャワー: 水に空気を含ませているため、少ない水でも勢いを感じられ、約37%の節水効果があります。
- 斜め形状: 水栓が斜めに伸びているため、大きなパスタ鍋などを洗う際も蛇口が邪魔になりません。
クロノ【比較ポイント】 シエラSにも「オールインワン浄水栓」などの高機能水栓はありますが、TOTOの「水ほうき水栓」のような「面で洗う」感覚は味わえません。洗い物の時短を最優先するならミッテです。
② ゴミが勝手に流れる「すべり台シンク」


TOTOのシンクは、排水口に向かって約3度の傾斜がついています。
- 野菜くずや食べ残しが、水を流すだけでスルスルと排水口へ流れていきます。
- 手でゴミを集める作業が減るため、家事のストレスが激減します。
- 排水口の位置が「隅」にあるため、シンク内を広々と使えます。
③ 衛生面の切り札「きれい除菌水」(オプション)


上位モデル「クラッソ」だけの特権だった「きれい除菌水」が、現在はミッテでもオプションで選べます。
- 水を電気分解して除菌成分(次亜塩素酸)を含む水を作ります。
- 網かごのヌメリ抑制、まな板・包丁の除菌、ふきんのニオイ防止に効果絶大。
- 薬品を使わないので、環境にも手肌にも優しいのが特徴です。
4. 【収納・デザイン対決】LIXILシエラSのコスパが凄い
「キッチンはインテリアの一部」と考えるLIXILならではの強みが、シエラSには詰まっています。特に「見た目のかっこよさ」と「価格」のバランスは最強です。
① 使いやすさを追求した「アシストポケット」
シエラSの収納プランで「アシストポケットシェルフ付」を選ぶと、収納力が格段に上がります。
- ポケット収納: 引き出しを少し開けるだけで、包丁、ラップ、おたまなどがサッと取り出せるポケットが手前についています。
- 立体収納: 深い引き出しの中を「シェルフ(中棚)」で仕切ることで、デッドスペースになりがちな上部の空間も有効活用できます。



【比較ポイント】 TOTOミッテにも「センターラインキャビネット」という優秀な収納があり、背の高いボトルなどを入れやすい構造ですが、LIXILのアシストポケットのような「細々したツールの整理整頓」ギミックは、シエラSの方が使い勝手が良いと感じる人が多いです。
② トレンドを押さえた「デザインバリエーション」


LIXILは建材メーカーなので、流行のデザインを取り入れるのが非常に早いです。
- スリムデザインワークトップ: 天板を薄く見せるデザインで、モダンなリビングに馴染みます。
- ブラックアイテム: 水栓、取っ手、レンジフードなどを「マットブラック」で統一するコーディネートが可能。カフェのような空間が作れます。
- 木目調のリアルさ: 扉のカラーバリエーションが豊富で、LIXIL製のフローリング(ラシッサなど)やドアとのコーディネートが完璧に決まります。
③ ユーザーフレンドリーな「ひろびろシャワー」
シエラSの水栓も進化しています。下に向かって広がるシャワー形状で、ザルに入った野菜などを洗うのに適しています。ただし、TOTOの「水ほうき」ほどのインパクトはありません。
5. 【価格差のリアル】見積もり金額はどちらが安い?
ここが最も気になるポイントでしょう。 カタログに載っている「定価」は、実はあまり当てになりません。重要なのは工務店への「卸値」と、そこからの「割引率(値引き率)」です。
LIXIL「シエラS」は値引き率が最強
リフォーム業界の通例として、LIXILのシエラSは非常に値引き率が良い商品です。
- 割引率の目安: 定価の50%〜65% OFF(施工店による)
- 実勢価格: 驚くほど安くなることがあり、「予算オーバーしたからキッチンをシエラSに変更して調整する」という裏技がよく使われます。


TOTO「ミッテ」も健闘するがLIXILには劣る
ミッテも普及帯なので値引きはされますが、シエラSほどではありません。
- 割引率の目安: 定価の40%〜55% OFF(施工店による)
- 実勢価格: シエラSと比較すると、最終見積もりで数万〜10万円ほど高くなるケースが多いです。





【プロの助言】 「とにかく安く!」ならシエラS一択です。しかし、その差額が数万円であれば、毎日使う「水ほうき水栓」の利便性を取ってミッテにする、という判断も非常に賢いです。
6. 掃除とメンテナンス性:10年後のキレイを保つのは?
レンジフード(換気扇)対決
LIXIL
「よごれんフード」
「10年間ファン掃除不要」を謳う強力な機能。オイルスマッシャーという回転ディスクが油を弾きます。ただし、シエラSでは上位オプション扱いとなり、価格が上がります。
TOTO
「スーパークリーンフード」
フィルターがない構造で、拭き掃除が楽です。ファン自体もワンタッチで着脱でき、洗いやすいのが特徴。標準仕様でもメンテナンス性が高いです。
ワークトップ(天板)対決
7. よくある質問と後悔ポイント
- 食洗機は「深型」を選べますか?
-
どちらも選べます。 ただし、ミッテもシエラSも、深型食洗機を入れると収納のレイアウトが変わることがあります。家族が4人以上なら、絶対に「深型」にすることをおすすめします。浅型にして後悔する人が非常に多いです。
- 海外製食洗機(ミーレなど)は入りますか?
-
基本的には不可ですが… メーカー公式対応はしていません。しかし、オーダーキッチン対応ができる専門の施工店であれば、キャビネットを改造して設置してくれる場合があります。ただし、保証対象外になるリスクがあります。海外製食洗機を入れたいなら、上位機種(TOTOクラッソやLIXILノクト)を検討するか、キッチン専門業者に相談が必要です。
- 結局、どっちが長持ちしますか?
-
躯体の耐久性は同等です。 どちらも木製キャビネットなので、水漏れさえなければ20年は持ちます。水栓のパッキン交換などのメンテナンスサイクルもほぼ同じです。
まとめ:最終決定のためのチェックリスト
最後に、あなたが選ぶべきキッチンを確定させましょう。
TOTO【ミッテ】で決まり!
- 毎日大量の洗い物が出る家庭だ。
- 排水口のヌメリ掃除が大嫌いだ。
- 水栓(蛇口)のデザインや機能にこだわりたい。
- 「多少高くても、毎日の家事が楽になる方」を選びたい。


LIXIL【シエラS】で決まり!
- キッチンの予算を抑えて、お風呂やトイレのリフォームにお金を回したい。
- リビングからキッチンが見えるので、家具のようなデザインにしたい。
- 引き出しを少し開けるだけで包丁を取り出せる機能に魅力を感じる。
- 「コスパ重視で、見た目も良いキッチン」を手に入れたい。


次のステップ: カタログを見るだけでは「引き出しの重さ」や「シンクの高さ」は分かりません。 ぜひ、同じ日にTOTOとLIXILのショールームをハシゴしてみてください。 実物に触れた瞬間、「あ、私はこっちが好き!」という直感が必ず働きます。
あなたのキッチンリフォームが大成功することを願っています!
(※本記事は2025年時点の最新情報を基に執筆しています。施工店によって割引率や取り扱い仕様が異なる場合があります。)
安くキッチンをリフォームするなら相見積もりが必須
リフォーム業者ごとにキッチンの販売価格が異なるため、より安くキッチンを交換したい場合は相見積もりが必要です。3社ほどに見積もりを依頼して、比較検討しましょう。





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