ビルトインコンロを交換する際、カタログを見ていてふと疑問に思うこと。 「幅60cm(600mm)と幅75cm(750mm)、どっちを選べばいいの?」
今まで60cmを使っていたけれど、広い75cmに憧れる。逆に、75cmを使っていたけれど、調理スペースを広げるために60cmにしたい。 実は、ビルトインコンロの本体サイズは60cmも75cmも全く同じということをご存知でしょうか?

この記事では、リフォームのプロの視点から、60cmタイプ(標準)と75cmタイプ(ワイド)の決定的な違い、それぞれのメリット・デメリット、そして「あなたならどちらを選ぶべきか」の正解を徹底解説します。
1. 最大の誤解!「60cm」と「75cm」の違いは天板(トッププレート)だけ
まず結論から申し上げます。 ビルトインコンロの「60cm」「75cm」というサイズ表記は「天板(ガラストップなど)の横幅」を指しています。
キッチンの中に埋め込まれている「コンロ本体(グリル部分など)」のサイズは、規格ですべて統一されています。
コンロ本体の幅は同じ
どのメーカー(リンナイ、ノーリツ、パロマなど)を選んでも、ビルトインコンロの本体幅は約60cm弱で作られています。つまり、キッチンの穴(開口部)のサイズは共通なのです。
- 現在60cmのコンロをお使いの方 → 75cmへ変更可能(※条件あり)
- 現在75cmのコンロをお使いの方 → 60cmへ変更可能

「サイズが違うから工事できない」ということは基本的にはありません。 では、天板が15cm広がることで、具体的に何が変わるのでしょうか?次章から詳しく比較していきます。
2. 【徹底比較】60cm(標準)と75cm(ワイド)の違い一覧表
まずはざっくりと違いを把握しましょう。
| 比較項目 | 幅60cm(標準タイプ) | 幅75cm(ワイドタイプ) |
| バーナー間の距離 | 狭め(約33cm前後) | 広め(約37cm前後) |
| 調理スペース | 広い(まな板が置きやすい) | 狭くなる(天板がはみ出すため) |
| 見た目・高級感 | コンパクト・標準的 | 高級感がある・見栄えが良い |
| 大きな鍋の使用 | 隣の鍋とぶつかりやすい | 余裕を持って置ける |
| 価格(定価ベース) | 75cmより少し安い(約5千〜1万円差) | 60cmより少し高い |
| 清掃性 | 拭く面積が小さい | 拭く面積が広いが、バーナー間は拭きやすい |
3. 「幅60cm(標準タイプ)」を選ぶメリット・デメリット
日本の一般的な家庭で最も普及しているのがこの60cmタイプです。
メリット:調理スペース(ワークトップ)を広く確保できる
最大のメリットはこれにつきます。 天板がコンパクトな分、コンロの横にある**「食材を切るスペース」「盛り付けをするスペース」を約7.5cm広く確保**できます。 「たかが7.5cm?」と思うかもしれませんが、まな板を置くスペースでの数センチは、作業効率に直結します。
- キッチン全体の幅が狭い(2250mm以下など)場合
- 食材や調味料を並べて料理したい場合
- 下ごしらえの快適さを重視する場合
これらに当てはまる方は、60cmタイプが圧倒的に使いやすいでしょう。
メリット:価格が少し安い
同グレードの機種で比較した場合、60cmタイプの方が定価で5,000円〜10,000円ほど安く設定されていることが一般的です。
デメリット:大きな鍋を並べると窮屈
左右のバーナー間隔が狭いため、28cm以上のフライパンと大きな鍋を同時に使うと、取っ手がぶつかったり、中心がずれたりすることがあります。
4. 「幅75cm(ワイドタイプ)」を選ぶメリット・デメリット
最近の新築マンションや戸建てで標準採用されることが多いのが75cmタイプです。
メリット:大きな鍋をゆったり振れる
左右のバーナー間隔が60cmタイプに比べて約4〜5cm広く設計されています。 この数センチの差が、実はかなり大きいです。
- 大きな中華鍋やフライパンをよく使う
- パスタ鍋とフライパンを同時に並べる
- 3口すべてのコンロをフル活用する
こういったシーンでも、鍋同士が干渉せず、ストレスフリーで調理が可能です。
メリット:高級感と清掃性
天板が広いと、キッチン全体がどっしりとした高級感のある印象になります。 また、バーナー間の距離が広いため、五徳(ごとく)を外して天板を拭く際、手を入れて拭きやすいという意外なメリットもあります。
デメリット:調理スペース(ワークトップ)が狭くなる
コンロ本体サイズは同じですが、天板だけが左右に約7.5cmずつ張り出します。 その分、まな板を置くスペースが物理的に減ります。 **「75cmに変えたら、まな板がはみ出して切りづらくなった」**という後悔の声は、実はリフォーム後に最も多い失敗談の一つです。
5. 【重要】交換前に必ず確認!「レンジフード」の罠
ここで一つ、非常に重要な注意点があります。 「コンロを60cmから75cmにする場合、上のレンジフード(換気扇)の幅を確認してください」
消防法(火災予防条例)により、**「ビルトインコンロの天板幅は、レンジフードの幅以下でなければならない」**という決まりがあるケースがほとんどです。
OKな組み合わせ
- レンジフード幅 75cm or 90cm × コンロ幅 60cm
- レンジフード幅 75cm or 90cm × コンロ幅 75cm
- レンジフード幅 60cm × コンロ幅 60cm
NGな組み合わせ(設置不可)
- レンジフード幅 60cm × コンロ幅 75cm
- これは消防法違反となる可能性が高く、蒸気や油煙が捕集しきれずに部屋に広がる原因にもなります。施工業者はこの組み合わせでの工事を断ります。
もし現在、レンジフードの幅が60cmで、どうしても75cmのコンロを入れたい場合は、**レンジフードも同時に交換(幅75cm以上のものへ)**する必要があります。
6. あなたはどっち?失敗しない選び方チェックリスト
ここまで読んでも「まだ迷う…」という方のために、判断基準をまとめました。
【幅60cm】がおすすめな人
- キッチンの間口(横幅)が255cm未満である
- まな板を置くスペースが現状でも「狭い」と感じている
- 28cm以上の大きな鍋やフライパンを2つ同時に使うことは稀だ
- 少しでもリフォーム費用を安く抑えたい
- 現在のレンジフードの幅が60cmである
【幅75cm】がおすすめな人
- キッチンの間口が255cm以上あり、作業スペースに余裕がある
- 家族が多く、大きな鍋やフライパンを同時にガンガン使う
- キッチンに高級感、見栄えの良さを求めたい
- コンロ奥のスペースやバーナー間の掃除のしやすさを重視する
- 現在のレンジフードの幅が75cmまたは90cmである
7. よくある質問(Q&A)
- 60cmと75cmで、グリルの大きさは違いますか?
-
基本的に同じです。 本体サイズが同じなので、グリルの庫内の広さも変わりません。ただし、上位機種(デリシアやプログレなど)と普及価格帯の機種では、グレードによるグリルの機能・サイズの差はあります。幅の違いによる差はありません。
- 75cmの方が火力が強いのですか?
-
火力は同じです。 天板の幅とバーナーの火力に関係はありません。
- 75cmにすると、コンロ脇に置いていた調味料ラックが置けなくなりますか?
-
その可能性が高いです。 75cmタイプは天板が左右に張り出すため、これまでコンロと壁の間に置いていた細いスパイスラックなどが置けなくなる、または熱の影響を受けやすくなる場合があります。事前に寸法の確認が必要です。
8. まとめ:生活スタイルに合った幅を選ぼう
ビルトインコンロの60cmと75cmの違いについて解説しました。
重要なポイントを振り返ります。
- 本体サイズは同じ。違うのは天板の幅だけ。
- 60cmは、調理スペース(まな板スペース)重視。
- 75cmは、鍋振りスペース(コンロ上のゆとり)重視。
- レンジフードの幅によっては75cmが設置できない場合がある。
「大は小を兼ねる」と考えて安易に75cmを選ぶと、意外なところで調理スペースが削られ、毎日の料理がストレスになることもあります。逆に、広いキッチンなのに60cmを選んで、鍋がぶつかり合って使いにくいというケースもあります。
ご自宅のキッチンの広さ、普段使う調理器具のサイズ、そして何より**「どこで一番作業時間を費やしているか(切る作業か、煮炊きか)」**をイメージして選ぶことが、後悔しないコンロ選びの第一歩です。
素敵なキッチンライフになるよう、じっくり検討してみてください!
安くキッチンをリフォームするなら相見積もりが必須
リフォーム業者ごとにキッチンの販売価格が異なるため、より安くキッチンを交換したい場合は相見積もりが必要です。3社ほどに見積もりを依頼して、比較検討しましょう。

クロノリフォーム業者を探すなら、メールアドレスと郵便番号だけで利用できるホームプロ








